eラーニングをローカライズするメリット

インターネット技術の発展と普及により、学習方法は大きく様変わりしました。今では、ネット環境さえ確保できれば、世界中のどこでも、いつでもさまざま内容の学習コースを提供・受講できるようになりました。意欲的に学習機会を利用するユーザー向けのコンテンツは多数ありますが、従業員向けトレーニングや、製品やサービスに関する情報をエンドクライアントに伝えるためのツールとしてインターネットを活用する企業などによるeラーニングのコースも数えきれないほど提供されており、その数は日々増え続けています。しかも、eラーニングのコンテンツとして、ビデオ、テキスト文書、スライド、写真、クイズやテストなどを入れ込むことができるようになったので、その多様性も増しています。

eラーニングのコースを作成する場合、言語の選択は重要です。世界のどこででも通じそうな英語ですら、その話者数は世界のインターネットユーザーの約25%に過ぎません。そのため、eラーニングで多くのユーザーを獲得するには、ターゲットに合わせた言語にローカライズする必要があります。コンテンツをターゲット市場に受け入れられるように、該当言語で適正に構築されたサイトは、その内容を言語的にも文化的にも正確に伝達することが可能となるでしょう。

eラーニングのコースコンテンツをローカライズするメリットには以下のような点が挙げられます。

拡張性(Scalability):

ローカリゼーション・プロバイダと連携すれば、オリジナル言語のコンテンツを多言語に変換し、多くの国で提供することが可能です。言語ごとに新たなコンテンツを作成する必要がないので、収益性も効率もよく、急速に視聴者の規模を拡大することができます。世界中に点在するユーザーは常に変化・成長・適応しているので、eラーニングの需要は高まるばかりです。ローカライズされたeラーニングコースを受講することで、技能を獲得し、より良い雇用機会を獲得することも可能でしょう。企業がグローバル市場に事業を拡張した際に、現地の社員をトレーニングするのにも役立ちます。言語の壁さえ越えられれば、インターネットは地理的な制限を受けない上、コンテンツの拡張性は無限なのです。

一貫性(Consistency):

オリジナル言語のeラーニングコースを多言語化することで、コースの一貫性を維持することができます。複数の対象者に提供する情報を一元管理することも可能です。一般的なローカライズプロセスでは、オリジナル言語のコンテンツをローカライズする際に、最初の編集作業で翻訳できない参照事項や意見などを抜き出し、より普遍的なメッセージに書き換えた後で全体を翻訳し、校正にかけます。参照事項や写真などをターゲットに適合したものにすると同時に、時間や単位(重量や距離など)も変換します。最後にeラーニングの教材全体を通して、伝えたい内容がターゲット市場や、国や地域のユーザーに確実に伝わるかの確認を行います。オリジナルコンテンツを更新あるいは新しくした場合でも、同様のプロセスで多言語にローカライズすればよいので、常に新しい情報を提供し続けることができます。

文化的関連性(Cultural Relevancy):

多くの企業は、eラーニングを通して業務内容に関連するトレーニングを行うことにより、継続的に新しい情報を従業員に提供しています。企業がグローバル展開するにつれ、さまざまな国の従業員が簡単に習得できるトレーニングを提供する必要性が高まりますが、eラーニングコースをローカライズすれば、すべての従業員に平等に学習機会を与えることができるだけでなく、企業が言語と文化の多様性に配慮していることを示し、強い包括的な企業文化を創り出すことが可能となるでしょう。

行動特性(Competency):

eラーニングコースの資料をローカライズする場合、単純な単語の翻訳以上のことが要求されます。テキストを文化的に適切なニュアンスに変え、写真を追加するなどして、ユーザーが快適にコースを習得できるようにします。eラーニングが英語のみで提供されている場合、ユーザーは新しい情報を吸収するだけでなく、慣れない文化的背景を理解しようと苦労することになるので、学習速度と精度に悪影響を及ぼしかねません。ユーザーの行動特性を理解した上で、eラーニングのコンテンツを翻訳するだけでなくローカライズすることで、すべてのユーザーに平等な学習の場と競合の機会を与えることができるようになります。その結果は、全体的なレベルの向上や、テストのスコアに表れることでしょう。ユーザーの学習意欲を高めることにもつながります。

人材確保:

デジタル技術の普及のもう1つの恩恵は、場所に関わらず人材の確保できるようになったことです。オフィス、自宅など場所に関わらず仕事をすることが可能になったため、今では多くの人が在宅勤務で働いています。そして、世界各地、さまざまな時間帯の人材を確保できるようになったため、時間の制限も取り払われるようになりました。時間ゾーンをまたいだ広域で従業員を雇用できるようになると、全体では24時間のサービス提供すら可能になるのです。それにより生産性が向上した企業もあります。

eラーニングの需要は今後も増大するでしょう。場所と時間に縛られずに働く人が増える中、すべてのユーザーに簡単で楽しい、継続的に活用できるeラーニングコースの提供が求められています。

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