ブログの多言語化、翻訳と現地ライターのメリット・デメリット

多言語ウェブサイトを構築することは、これまで製品やサービスの知名度が低かった地域の人々の興味をかき立て、新規顧客を引き込む有効な手段のひとつです。多言語サイトで最も大切なコンテンツのひとつはブログ記事でしょう。60%の顧客が、購入検討の早い段階でブログ記事を参考にしているとの調査結果が示されています。

もちろん、多言語ブログを運営するのは簡単なことではありません。さまざまな判断が必要ですが、その中でも最も重要なことはどのようにブログ記事を作成するかです。最初に思い浮かべるのは既存記事をある言語から他の言語に翻訳する方法でしょう。そして、ターゲット地域に最適な独自の記事を現地ライターに執筆してもらう方法もあります。オンライン会議ツールなど様々なツールが普及し、海外とのコミュニケーションが低コストで実現可能な今、現地ライターやターゲット地域に詳しいライターが世界のどこにいても、採用するハードルが低くなりました。

まず、ブログ記事を作成し、それを他の言語に翻訳して掲載することのメリットとデメリットを見てみましょう。

ブログは翻訳するだけで十分なのか?

作業に費やせる時間と予算にもよりますが、既存のブログ記事をターゲット市場のそれぞれの言語に翻訳することは、ある意味で最も理にかなった方法と言えるでしょう。専門の翻訳会社・翻訳サービスに作業を依頼すれば、正確に翻訳されたブログ記事を掲載できます。

翻訳することのメリットには以下のようなことが挙げられます。

  • 特に、ターゲット言語のネイティブスピーカーが翻訳作業に関わっている場合には、より正確な翻訳ができる。
  • 毎回、言語毎に独自性のあるブログを執筆してもらうライターに執筆作業を委託しないですむので、コストを削減することができる。
  • ブログの更新頻度にもよるが、既存のブログを翻訳する方が、比較的手間も少なく、進行管理が簡単である可能性が高い。
  • 既にすべてのブログ記事が作成されている場合は、翻訳する方が、ライターが一から執筆するのを待つよりも効率がよい。

一方、ブログを翻訳することのデメリットを挙げてみます。

  • 翻訳過程で、オリジナルブログの重要な要素が抜け落ちてしまう可能性は捨てきれない。言い換えれば、ひとつの言語で書かれたこと、その意味するところ、意図、メッセージなどが他の言語に翻訳されたときに完全に伝わりきれない可能性がある。とはいえ、機械翻訳を使用したとしても、業界に関連する記事のポストエディットに精通した翻訳者に校正を依頼することで解決できることもある。
  • 依頼企業がターゲット地域の文化を理解していたとしても、翻訳されたブログ記事を読む顧客とは立場が異なるので、翻訳されたブログ記事が対象とする顧客(読者)の気持ちを捉えられるものになっているかの確認することは必須。
  • 言語によって翻訳された文章が長くなったり、短くなったりするので、直接的すぎる翻訳はレイアウト上の支障を来すことがある。このような場合は、ブログを投稿する前に調整することで対応できるが、そのためには編集作業の追加が必要となる。

ターゲット市場向け独自記事を執筆する現地ライターを採用することが最善策か?

ブログ記事を翻訳することがウェブサイトの目指す姿と一致しない場合には、現地ライターに独自ブログ執筆を依頼することも一案です。その場合のメリットは以下が挙げられます。

  • 現地ライターはターゲット市場向けに適した題材を選出してブログ記事を作成することができるので、読者を引きつけることが可能。地域や特定の調査研究に関する固有の知識を有している現地ライターは、読者に訴える視点から記事を作成することができる。
  • 該当地域のライターであれば、その地域独特の文化にも精通した観点から記事を作成することが可能。
  • 地域のライターは、記事に付けるイメージ図なども含めたあらゆる掲載要素を、顧客の価値観にしっかりと合わせたものにすることができる。
  • 翻訳したのではなく執筆された記事は、検索エンジン(SEO)で上位に表示されるという効果があるので、結果的に潜在的顧客をブログに誘導することができる。

しかし、それぞれの言語でライターを採用することにはデメリットもあります。

  • オリジナル記事を書くには、執筆するための材料を調査、開拓することに対して献身的な作業、手間と時間が必要である。よって、新鮮かつ面白みのある記事を定期的に作成することは、ライターにとっても容易ではない。
  • 特に特定の業界に精通しているターゲット言語のライターを探し、採用することが難しいこともある。
  • 個人ライターを採用するには費用がかかるので、対象とする言語数が増えていけばかかる費用も上がっていく。

企業として、既存のブログを翻訳するか、新規のブログ作成に重点的に取り組む現地ライターを採用するか、いずれの方法を選択するにしろ、多言語ブログを運営することはその企業の製品やサービスに対して新たな興味を呼び込むことにつながります。利用される翻訳会社・翻訳サービスが提供できる範囲がトランスレーション(翻訳)なのか、トランスリタレーション(文字転写)なのか、はたまたトランスクリエーション(翻訳+創作)なのか、また、その記事がどこからの流入で最も読者を獲得できそうか、流入元別にどんな工夫をして読者を呼び込めるかも想像しながら制作体制を整えましょう。GoogleやYahoo!などでの検索をきっかけにサイトを訪問してもらえるよう、SEOの知識のある人はいますか(SEO流入の増加)?Twitter、FacebookなどSNSで沢山「いいね」「リツイート」「シェア」を押してもらえそうですか(ソーシャル流入の増加)?メルマガ読者が好む切り口ですか(メール流入の増加)?その結果、ウェブサイトのトラフィックを増やしていかれるでしょう。読者が自分の母国語で書かれた記事を読むことを楽しむのと同じように、顧客は自分の地域に合わせてローカライズされたウェブサイトから商品を購入することを好むものです。企業は、翻訳会社・翻訳サービスと協業することで、自社が事業を展開したいと考えている国際市場にうまく適合させたブログを作成することができるでしょう。

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