LXP(ラーニング・エクスペリエンス・プラットフォーム)とは

企業の研修プログラムのイノベーションが進む中、eラーニングが研修業界に変化をもたらしています。革新的なイノベーションの一つがLXP(ラーニング・エクスペリエンス・プラットフォーム、または学習体験プラットフォーム)の開発で、多くのユーザーがその恩恵を享受しています。

この記事では、LXPの概要と、LXPがどのようにeラーニング市場を変化させているかを解説します。

LXP(ラーニング・エクスペリエンス・プラットフォーム)の概要

企業の研修プログラムのイノベーションが進む中、eラーニングが研修業界に変化をもたらしています。革新的なイノベーションの一つがLXP(ラーニング・エクスペリエンス・プラットフォーム、または学習体験プラットフォーム)の開発で、多くのユーザーがその恩恵を享受しています。

この記事では、LXPの概要と、LXPがどのようにeラーニング市場を変化させているかを解説します。

LXP(ラーニング・エクスペリエンス・プラットフォーム)の概要

LXP(ラーニング・エクスペリエンス・プラットフォーム)とは、ユーザーごとにパーソナライズされたトレーニングの機会を生み出すプログラムです。LXPを通じて、ユーザーは現在のスキルを向上させるだけでなく、新しい分野の学習を始めることができます。

従来のeラーニングプラットフォームでは、トレーナーやシステム管理者が、社員が学ぶべき内容を決定していました。LXPでは、ユーザー自身が何を学びたいかを決め、それを実現するための方法を決めるのです。

LXPと学習管理システム(LMS)を比較して考えてみましょう。LMSはコンプライアンス研修などには有効ですが、LXPほど自由な発想による学習や目標に基づいた学習はできません。LMSでは、特定のトピックについてもっと学びたいと思った従業員が自分のニーズに合ったコースを検索することができ、このアプローチは一部の企業においては有効ですが、LXPははるかに汎用性が高く、これを用いることで、従業員は、専門知識獲得やスキル開発などの学習を自己主導で行えます。

LXPは、人工知能(AI)を活用し、目標や過去の活動、学習スタイルの判定に基づき学習をパーソナライズすることを最大の特長としています。そしてAIシステムが、ユーザーの興味の対象となるトピックの学習コンテンツをおすすめしてくれます。

LXPの主な特徴

LXPには、以下のような機能が備わっています。

  • ラーニング・パスの作成 ラーニング・パスとは、ユーザーに明確な学習の道筋を示すための一連のコースと、そこに結び付けられたその他のeラーニングアクティビティです。これは、ユーザーが学習目標を設定する際の指標となります。それぞれのコースやアクティビティは単体でも役立ちますが、ラーニング・パスによってユーザーは最終的な目標に向かって、スキルを継続的に向上させられます。
  • 従業員自身によるコンテンツの作成 LXPの特長のひとつが、従業員が教材を作成しラーニング・パスに追加できる点です。eラーニングのコースに追加できる貴重な情報を持っているのは、様々なスキルを持つ従業員自身なのです。従業員が開発したコンテンツは、LXPの中のモジュールに簡単にリンクさせることができます。
  • 翻訳ツールの導入 社員研修は国境に縛られてはいけません。LXPに翻訳ツールを追加すれば、受講者が利用できるコースが国や地域で限定されません。
  • 効率的なユーザーインターフェイス LXPは、そのほとんどがウェブベースのため、ユーザーインターフェイスは、常に学習者にとって使いやすい最新のものに更新され、学習体験の効果も高められます。スムーズに動作しないシステムでは学習意欲の湧かないユーザーでも、効果的なインターフェイスには惹きつけられるのです。
  • アナリティクス(分析) LXPでは、学習データをレポートやダッシュボードに蓄積し、アナリティクス、すなわち学習成果の分析をユーザーと管理者の双方が利用できるようにします。ダッシュボードにより、従業員は目標に対する進捗状況を把握でき、管理者は社員の利用傾向を把握できるようになります。
  • おすすめコースの紹介 LXPの便利な機能の1つは、どの学習コンテンツをユーザーに推奨すべきかをアルゴリズムによって判断することです。過去の検索履歴や学習者のプロフィールなどの関連情報を通じ、最適なレコメンドをします。
  • チャットボット LXPの中には、AIチャットボットが24時間利用可能なものもあります。チャットボットが、ユーザーの取り組んでいるタスクや課題を支援したり、提案やその他のガイダンスを提供したりするなど、さまざまな方法でサポートします。

LXP導入のメリット

企業にとってのLXP導入のメリットには、以下のようなものがあります。

  • おすすめコースのカスタマイズ LXPでは、ユーザーに推奨する学習コースを管理者が手動で設定することもできます。企業のトレーナーや部門のリーダーが、従業員のラーニング・パスに、それぞれのポジションで効果的に働くために必要なトレーニングを追加することができるのです。
  • 膨大なコンテンツ LXPには、膨大な学習コンテンツやコースを収録できるため、学習者のモチベーションを保ち続けられます。さらに、LXPでは複数のブレンド型学習モデルによってユーザーごとに高度でまとまりのある学習機会を提供することもできます。
  • 学習者の体験のパーソナライズ LXPの主な目的の1つは、パーソナライズされた学習体験の実現です。強力なレコメンデーション機能と検索機能によって、従来のプラットフォームでは学習コンテンツを探すのに費やしていた時間を、学習目標を達成するために充てることができるようになります。さらに、求められる専門性に応える翻訳サービスを利用して世界中の従業員・ユーザーの言語にパーソナライズされた学習体験を提供できます。
  • 学習者どうしのコミュニケーションとコラボレーション eラーニングは個人で受講するものですが、学習者どうしの交流も必要です。LXPは、学習者どうしがアイデアや視点を共有するツールも提供しています。LXPで学習中の参加者は参考になる動画やウェビナー、ブログ、その他のサービスのプレイリストを作成し共有できるのです。さらに、共同作業用のワークエリアをオンラインで作成すれば、そこに人を招待して知識や学習をシェアできます。
  • 場所を選ばない学習支援 複数の拠点を持つ企業では、対面式の研修の開催が困難な場合もあります。LXPを利用すれば、学習者は昼夜を問わず、あらゆる場所から、あらゆるデバイスで、コースにリモート参加できます。LXPを活用したeラーニングでは、時間とコストの両方を節約でき、eラーニングを多言語化するメリットが高いのです。
  • 学びの必要な領域の特定 データレポート機能により、学習コンテンツ作成者は学習者の進捗状況を把握し、知識やスキルが足りていない領域を特定することができます。この情報を元に、必要な領域をより効果的に学習できるよう教材の品質を改善できます。

LXPの導入例

高機能で、素晴らしい効果を発揮するLXPですが、ビジネスでの活用方法は様々です。以下のような導入例があります。

  • 新入社員の入社支援 LXPは、社員の人事情報システムとの統合が可能なため、新入社員の受け入れを合理化できます。新入社員がLXPのグループに加入することで、新入社員間のコラボレーションや学習プログラムへの参加が可能になります。eラーニングの翻訳・ローカライズサービスを利用すれば、各国の新入社員がスムーズに組織や業務に順応できるようになるでしょう。
  • 従業員のスキルの継続的な向上 どのようなビジネスにおいても、従業員のスキルやトレーニングを向上させ続けることは不可欠です。従業員が業界や部門の変化を常に把握し、業務で活用する新たな技術も身に着けていかなければならないのです。LXPは、従業員が効果的かつ効率的に仕事をこなしながら、スキルを向上させるためのポータルとなります。
  • 顧客へのトレーニングの提供 LXPは従業員のトレーニングに非常に便利ですが、対象は社内だけにとどまりません。必要に応じ、外部の顧客にもコースを提供することが可能です。例えば、自社の製品やサービスに関する重要な情報を顧客と共有するためにLXPを活用することもできます。
  • 情報の保存と伝達 学習者がLXPで学習コンテンツを作成し保存すると、その情報はプラットフォーム上で将来使うために保持されます。このため、学習者が異動したり転職したりしても、企業は重要な情報を後任に引き継げるのです。
  • 営業チームのサポート 市場動向や、競合他社の動静、製品、購買動向、販売手法などの有益な情報を、営業チームやマーケティングチームのメンバーに提供することもLXPの有効な活用方法です。担当者が情報収集に時間を掛けずに、簡単に情報にアクセスできるようになります。

学習体験プラットフォームが進化を続け、より洗練されていく中、多くの企業がLXPを用いたeラーニングを従業員の教育や研修に取り入れています。専門的な翻訳会社にeラーニングのローカライズを依頼することで、各国の従業員は、よりパーソナライズされた学習機会を等しく享受できるようになるのです。

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