自社のウェブサイトは誰にとっても使いやすい?アクセシビリティについて知っておくべき事
企業の基本的価値として、誰も排除しないことがますます注目されています。誰もが使いやすいウェブサイトは、あればいいものではなく、必須のものになりました。
使いやすいウェブサイトは、できるだけ幅広い人々に情報を届け、快適な使用感を実現するために不可欠です。視覚障碍者のための操作改善であれ、知的障碍者が理解しやすい文章作成であれ、ウェブサイトの使いやすさは、何百万人もの人々が貴社とオンラインで交流する際に影響を与えます。
何がウェブサイトを使いにくくするのか
多くのウェブサイトは、障碍を持つ利用者に対する障壁を無意識のうちに作り出しています。
これらの障壁によって、不満を感じる人や、ウェブサイト自体を使えない人が出てくる可能性があります。
- キーボードで操作ができない:
身体の動きに障碍がある利用者や、スクリーンリーダーのような支援技術を使っている利用者の多くは、マウスではなくキーボードを使ってウェブサイトを操作します。 - 画像の内容がわからない:
画像は重要な情報を伝えます。しかし、その内容を説明する代替テキスト (altテキスト) がなければ、スクリーンリーダーを使う視覚障碍者に画像の内容が伝わりません。 - 色のコントラストが悪い:
文字と背景色のコントラストが低いと、色弱などの視覚障碍を持つ人が文章を読んだり、操作を行ったりするのが難しくなります。 - 聴覚に関する課題:
字幕や書き起こし文のない音声・動画は、難聴の利用者に配慮されていません。 - 操作上の問題:
身体の動きに障碍がある利用者にとって、小さなボタンや使いにくいドロップダウンメニュー、記入欄を埋める際などの厳しい時間制限は、難しい事を知っておきましょう。 - 認知上の障壁
知的障碍のある利用者にとって、複雑な構成、わかりにくい操作方法、また一貫性のないデザインは、理解するのが困難です。明快で一貫性があり、単純ですっきりした構成は、すべての利用者に役立ちます。 - 技術的な誤りと見落とし:
使いにくいウェブサイトの原因の多くは、技術的エラーです。記入欄の指示の誤りや、不適切な見出し構造といった見落としは、せっかくうまく設計されたウェブサイトを、支援技術の利用者が使えないものにしてしまう可能性があります。
ウェブ・アクセシビリティとは何か
ウェブ・アクセシビリティとは、どんな能力の人でもデジタルコンテンツやインターフェイスを利用できることです。ウェブ・アクセシビリティには、基本的な操作方法から、コンテンツの配置まで、すべてが含まれます。ウェブ・アクセシビリティは、インターネットの初期から長い道のりを歩んできました。現在では、「ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン」(Web Content Accessibility Guidelines) が世界的な基準を定めており、この基準は新たな技術とともに進化し続けています。
アクセシビリティは、障碍を持つ人々だけのためのものではありません。アクセシビリティは、全体的な使用感を向上させ、高齢者や携帯端末の利用者、また通信速度の遅い環境にいる利用者を含む、すべての人にとってサイトが快適に機能するようにします。
使いにくいサイトは事業の妨げになります
世界保健機関によると、10億人以上の人々が何らかの障碍を抱えながら暮らしています。貴社のウェブサイトが使いにくければ、潜在顧客の多くを遠ざけてしまうことになりかねません。Nucleus Researchが2019年に行った調査では、インターネット小売業界だけでも、使いにくいウェブサイトのせいで、年間69億ドルの損失を被っている可能性があると推定されています。
使いやすいウェブサイトを構築することは、誰も排除しないための企業努力を示すことでもあります。
ウェブサイトの使いやすさを軽視する企業は、障碍のある顧客だけでなく、顧客全体を引き留めにくくなる可能性が今後出てくるでしょう。また、最初から使いやすいウェブサイトを構築しておけば、法令を遵守するためにウェブサイトの改修が必要になった時にも、費用を節約できます。
ウェブ・アクセシビリティは貴社のウェブサイトにとって何を意味するか
アクセシビリティの確保は、単に法令を遵守するだけの問題ではありません。アクセシビリティを確保すれば、すべての利用者の使用感が向上します。以下、優先すべき主な機能をいくつかご紹介します。
- スクリーンリーダーとの互換性:
スクリーンリーダーは、視覚障碍のある利用者のために、ウェブページの文章や画像の理解を助けます。貴社のサイトとスクリーンリーダーとの互換性を確認することは不可欠です。 - ろう者のための書き起こし:
難聴の利用者にも対応できるよう、すべての音声情報に、その内容を書き起こした文章を付すべきです。それにより、誰もがマルチメディアコンテンツの内容を理解できます。 - 話せない利用者のためのコメント機能:
話せない利用者に対しては、使いやすいコメント機能やコミュニケーションツールを取り入れて、意思疎通を行いやすくするのが良いでしょう。 - アクセシビリティを高める諸機能:
文字の大きさを調整可能にする、音声での操作を可能にする、ボタンを明確に表示するといったことを行えば、すべての利用者にとってウェブ体験がより快適になります。
ウェブサイトのアクセシビリティを確保する主な理由
アクセシビリティは、貴社への評価を高めるだけでなく、事業によってもよい意義があります。
ウェブサイトの快適な使用感は、インターネット経由で情報を伝える上で非常に重要です。
- 検索エンジン最適化の利点:
アクセシビリティと検索エンジン最適化は、多くの場合両立します。使いやすいウェブサイトは、検索結果での順位も高くなる傾向があります。これは、検索エンジン最適化の戦略に沿ったベストプラクティスに従っているからです。 - 顧客層の拡大:
使いやすいウェブサイトは、使いにくいウェブサイトという障壁のためにこれまで取り残されていた市場を開拓し、より幅広い人々を取り込むことができます。 - 全般的な使いやすさの向上:
障碍者にとって使いやすいウェブサイトは、すべての人にとってもより使いやすいものです。構成をよりすっきりさせ、操作性をより高めれば、利用者全体の満足度が向上します。 - 顧客の定着・評価:
使いやすいウェブサイトは、顧客を定着させるのに役立ちます。貴社が誰も排除しないよう配慮していることがわかれば、貴社への信頼と、肯定的な口コミが広がる可能性も高まるでしょう。
ウェブ・アクセシビリティをめぐる法的状況
世界各国は、ウェブ・アクセシビリティに関する法的枠組みを導入してきました。
たとえば米国では、「障碍を持つ米国人法」(Americans with Disabilities Act) により、企業は自社のウェブサイトのアクセシビリティを確保するよう義務づけられています。
これを怠ると、訴訟や罰金刑になる可能性があります。世界的にも、「欧州アクセシビリティ法」(European Accessibility Act) など、同様の法律が存在します。対象となる企業は、2025年までにこの法律を遵守する必要があります。
ウェブ・アクセシビリティの諸要素
適切なツールと技術を使えば、アクセシビリティの実現はより容易になります。クリムゾン・ジャパンの専門家たちがお客様のプロジェクトに提供する標準的なサービスの一部をご紹介します。
- ARIA HTML: ARIA HTML属性を使い、スクリーンリーダーに特別な情報を与えることで、動くコンテンツも読み上げられるようにします。
- ウェブサイトのフォント: 読みやすく、拡張性のあるフォントを選びます。
- 色とコントラスト: 視覚障碍者でも見やすい配色を常に使用します。
- フォーカスステート: ボタンなどの操作できる箇所を強調して、操作しやすくします。
- 記入欄の適切さ: 記入欄が使いやすく、表示とエラーメッセージが適切なことを確認します。
- Altタグ: 文章でないすべてのコンテンツに説明文を提供します。
- ハイパーリンクの形式: ハイパーリンクがついた語句には、明確な説明を付します。また、前後の語句と容易に区別できるようにすべきです。
- タブの順番: キーボードのタブキーを使う場合に、論理的な順番で操作できるようにします。
ウェブサイトのアクセシビリティを実現する経験豊富な翻訳会社
ウェブサイトのアクセシビリティを維持するには、意図を持った長期計画が必要です。
継続的な取り組みの一環として、監査、定期的な更新、および従業員研修への投資を検討しましょう。
技術は進化し続けています。クリムゾン・ジャパンのような専門的な翻訳会社との協力関係は、アクセシビリティを確保し法令を遵守する助けになります。
アクセシビリティの実現について、どこから始めるべきかお考えでしょうか。クリムゾン・ジャパンは、貴社のウェブサイトが必要な基準のすべてを満たすために役立つ包括的なサービスを提供。
ウェブサイトの点検から導入まで、貴社のウェブサイトを、誰もが完全に活用できるようにします。
ウェブサイトのアクセシビリティについてご検討中でしたら、ぜひ一度ご連絡ください。