多言語での検索エンジン最適化 (SEO) と「コアウェブバイタル」(2024年版)
2024年現在、検索エンジン最適化 (SEO) をめぐる状況は、これまで以上に激しく変化しており、多言語でのSEOと「コアウェブバイタル」(後述) がきわめて重要な役割を果たしています。各企業が世界中の人々に情報を発信しようと努力する際には、ウェブサイトの高度な機能を確保しながら、多言語でコンテンツを最適化することが不可欠です。この記事では、競争の激しいデジタル市場で優位に立つために、効果的な多言語SEO戦略、ローカライズから得られる利益、そして「コアウェブバイタル」をめぐる最新の動向をご紹介します。より詳しくは、多言語ウェブサイトの利点に関する記事をご覧ください。
多言語SEOのためのコンテンツ作成の進め方
多言語SEOのためのコンテンツを作成するには、既存の素材の翻訳以外に様々なことが必要です。下記の段階を追って、確実に成功させましょう。
- 対象地域の人々を理解する: 対象とする地域の文化や好みを調査します。明らかになった特有のニーズと期待に応えられるよう、コンテンツを調整します。各地域の言語で人々と効果的につながる方法については、「世界のお客様に、それぞれの言葉で語りかけていますか?」という記事をご覧ください。
- キーワードの調査: Googleキーワードプランナー、SEMrush、Ahrefsなどのツールを使って各言語のキーワードを調査し、様々な言語で適切なキーワードを見つけます。また、各地域における検索の動向と利用者の行動を理解します。
- キーワードをコンテンツに組み込む: 特定したキーワードを、コンテンツ内に自然に組み込みます。良質・適切で魅力的なコンテンツを作成します。
- 翻訳とローカライズ: 専門的な翻訳サービスを利用して、正確さを確保します。ローカライズは単なる翻訳ではなく、コンテンツを各地域に合わせて調整することを含みます。
- 一貫したブランディング: 様々な言語間で一貫したブランドの個性を維持するとともに、各地域の文化も考慮します。
- SEOを取り入れる: コンテンツの作成過程にSEOのベストプラクティスを取り入れます。これには、メタタグの最適化や、URL構造・hreflangタグといったSEOの技術的な点を正しく実装することが含まれます。
これらの段階を踏むことで、世界各地の人々の心に響くコンテンツを作成でき、検索エンジンでの表示順位も向上します。
多言語SEOの改善方法
各言語でのキーワード調査
- ツールと技術: Googleキーワードプランナー、SEMrush、Ahrefsなどのツールを使って、様々な言語で適切なキーワードを見つけます。また、各地域における検索の動向と利用者の行動を理解します。包括的な手引きについては、当社の国際的SEOチェックリストをご覧ください。
- 各地域に関する知見: ネイティブスピーカーや各地域の専門家と協力し、口語表現や各地域における検索の好みに関する知見を得ます。
hreflangタグと言語タグの使用
- hreflangタグ: hreflangタグを導入することで、検索エンジンにウェブページの言語や対象地域を知らせることができます。これにより、適切なコンテンツが適切な閲覧者に表示されます。
- ベストプラクティス: HTMLやサイトマップにhreflangタグを含め、インデックスエラーを避けるためにウェブサイト全体の一貫性を確保します。
適切なURL構造
- URLの選択肢: サブディレクトリ (example.com/fr/)、サブドメイン (fr.example.com)、国別トップレベルドメイン (example.fr) のいずれかを選択します。それぞれに長所と短所があります。
- お勧めは国別トップレベルドメイン: 単純で管理しやすいことからサブディレクトリが好まれる場合が多いものの、国別トップレベルドメインは検索エンジンに強力な情報を提供します。
メタデータの最適化
- タイトルタグとメタディスクリプション: これらを各言語について最適化します。人を惹きつける文章にし、対象キーワードを記載します。
- 各地域への関連性: 各地域の関心や検索行動を反映するようにメタデータを調整し、クリック率を高めます。
各地域でのリンクの構築
- 各地域でのバックリンク: 各対象地域のウェブサイトや権威ある情報源から質の高いバックリンクを獲得することを重視します。
- 戦略: 対象地域のPRに参加し、地域のブログに寄稿し、地域のインフルエンサーと協力して強力なバックリンクを構築します。
まとめ
SEOの各側面 | 主要戦略 |
各言語でのキーワード調査 | Googleキーワードプランナーのようなツールを使い、各地域における検索の動向を理解します |
hreflangタグと言語タグ | hreflangタグを使用し、一貫性を確保します |
URL構造 | サブディレクトリ、サブドメイン、国別トップレベルドメインから選択します |
メタデータの最適化 | タイトルタグとメタディスクリプションを最適化し、各地域に合わせます |
各地域でのリンクの構築 | 各地域でバックリンクを獲得し、地域のPRに参加し、インフルエンサーと協力します |
これらの戦略に従うことで、多言語SEOの取り組みを大幅に強化し、的を絞って、世界の市場における貴社のウェブサイトの全体的な成果を向上させることができます。
多言語SEOを伴うローカライズの利点
多言語SEOを伴うローカライズは、国際展開を目指す企業にとってきわめて重要です。ローカライズは、単なる翻訳にとどまらず、各地域の文化・言語・好みに合わせたコンテンツの調整を必要とします。多言語SEOが企業にとって不可欠な理由については、「世界での事業展開にとって、多言語SEOが不可欠な理由」という記事をご覧ください。
- 使用感の改善: ローカライズされたコンテンツは、各文化に沿った体験を円滑に提供することで、ユーザーエンゲージメントを向上させます。これにより、ウェブサイト訪問者の滞在時間が長くなり、最初のページだけを見てサイトを離れる人も減ります。
- コンバージョン率の増加: 各地域の人々に直接語りかけるために作成されたコンテンツは、コンバージョン率を大幅に高めることができます。各地域のニーズや好みに対応することで、購入、ニュースレターへの登録、問い合わせフォームへの入力といった望ましい行動を取るよう、より多くの利用者を促すことができます。
- 競争上の優位性: SEO対策をローカライズすることで、1つの言語のみに注力する企業より競争上優位に立つことができます。これは、競争の激しい市場において特に重要であり、各顧客に合わせた方法が必要になります。
- 検索エンジンでの表示順位の向上: ローカライズされたキーワードとコンテンツの最適化により、様々な地域での検索結果における表示順位を上げることができます。検索エンジンは、関連性の高い、ローカライズされたコンテンツを提供するウェブサイトを好みます。このようなコンテンツが、認知度を高め、閲覧者を増やすことができます。
- ケーススタディ: 各地域に魅力を伝えて世界に広げる: クリムゾン・ジャパンは、効果的なローカライズ戦略によって、数多くのお客様の世界的認知度の向上に貢献してきました。当社は、言語に関する専門性と文化に関する知見を組み合わせることで、対象とする人々にコンテンツを届けるだけでなく、共感を引き出します。ローカライズを実践する各段階については、「ウェブサイトをローカライズするための5ステップ」という記事をご覧ください。
各言語のウェブサイトごとに独自のコンテンツを作成する必要はあるか?
各言語のウェブサイトごとに独自のコンテンツを作成するよう強くお勧めしますが、それが常に必要なわけではありません。ここでは、独自のコンテンツを作成すべき場合と既存のコンテンツを修正すべき場合についてご説明します。
独自のコンテンツを作成すべき場合:
- 文化が異なる場合: 対象とする市場の文化が大きく異なる場合、独自のコンテンツのほうが、その地域の習慣や好みによりよく対応することができます。
- 差別化した商品を提供する場合: 商品やサービスが地域によって異なる場合、独自のコンテンツによってその違いを強調し、各地域の顧客に直接訴えることができます。
- SEOを重視する場合: 独自のコンテンツは、的を絞ったキーワードの最適化を可能にし、様々な地域において検索エンジンでの表示順位を上げることができます。
既存のコンテンツを修正すべき場合:
- 市場が似ている場合: 対象とする市場の文化が似ている場合、既存のコンテンツを修正したほうが効果的で効率的な可能性があります。
- 資源が限られている場合: 予算や人手が限られている場合、重要なページを優先して独自のコンテンツにし、残りのページは既存のものを修正するという、バランスを取った方法があり得ます。
- ブランディングの一貫性を重視する場合: ブランドの一貫した個性を維持しつつ各地域向けに必要な修正を行う、という方法がうまくいく場合も多くあります。
ベストプラクティス:
- 各地域に関する知見: 各地域の専門家を起用して、独自でない修正したコンテンツについても、適切で信頼できると感じられるようにします。
- 定期的な更新: 各地域の動向や好みに沿った新鮮なコンテンツを提供するため、監視と更新を続けます。
多言語SEOの今後の動向
多言語SEOで優位に立つには、新しい動きに目を向け続ける必要があります。ここでは、2024年現在注目すべき主な動きをご紹介します。
音声検索への最適化
- 高まる重要性: 音声で動かせる端末の利用が増えているため、音声検索についても最適化を行うことが非常に重要です。たとえば、自然な口語表現や、会話によく出てくるキーワードに注目する必要があります。
- 戦略: 人々が指でなく音声で入力するという方法を反映したロングテールキーワードや質問文に対応します。よくある質問に明確かつ簡潔に答えられるようにします。
人工知能を駆使したSEO
- 機能の強化: 人工知能は、より深い洞察を提供し、複雑な作業を自動化することで、SEOを変革しつつあります。人工知能を活用したツールは、大規模なデータセットを分析し、検索の動向や商機を発見することができます。
- 人工知能の実装: キーワードの調査、コンテンツの最適化、また予測分析に人工知能を活用すれば、競争で優位に立てます。
動画の最適化
- 高まる人気: 動画コンテンツはデジタル空間を支配し続けています。動画のSEOを行うには、表題・説明文・タグに適切なキーワードを使用する必要があります。
- ローカライズ: 様々な言語の視聴者に対応するため、字幕、吹き替え、または翻訳によって動画をローカライズします。
ケーススタディ: 最近の動きを踏まえて成功を目指す
たとえば、多くの国際的なブランドは、音声検索への最適化や人工知能を活用したSEO戦略を導入し、インターネットでの認知度を高めることに成功してきました。クリムゾン・ジャパンは、各企業の方々が多言語SEOの取り組みを進めるためにこれらの技術をどう活用できるかについて、知見を提供します。
まとめ
最近の動き | 主要戦略 |
音声検索への最適化 | 自然な口語表現を使用し、会話によく出てくるキーワードに注目します |
人工知能を駆使したSEO | キーワードの調査、コンテンツの最適化、また予測分析に人工知能を活用します |
動画の最適化 | 表題・説明文・タグを最適化します。字幕と翻訳によってローカライズを行います |
「コアウェブバイタル」に関する最新情報
何が変わったのか? Googleが導入した「コアウェブバイタル」は、2024年現在、さらに重要性を増しています。コアウェブバイタルの各指標は、ページの読み込み速度、操作性、視覚的な安定性など、ユーザーエクスペリエンスの重要な側面を測定します。最近の更新では、ウェブサイトの機能をさらに適切に評価するために、より厳しい基準値と新しい測定技術が重視されています。
主な変更点:
- 基準値の厳格化: より高い水準のユーザーエクスペリエンスを保証するために、Largest Contentful Paint (LCP)、First Input Delay (FID)、Cumulative Layout Shift (CLS) などの基準値が厳しくなりました。
- 新しい指標: ウェブサイトの操作性やユーザーエクスペリエンスの詳細をよりよく捉えるために、新しい指標が導入されました。
検索結果の表示順位に影響しますか? はい。更新されたコアウェブバイタルは、表示順位を左右する重要な要因です。新しい基準値以上のウェブサイトは、検索エンジンの検索結果で上位に表示される可能性が高くなります。コアウェブバイタルの指標がよくないと、認知度の低下や閲覧者の減少につながる可能性があります。
どのコアウェブバイタルが最も重要か?
Largest Contentful Paint (LCP)
- 定義: ページを読み込む時間を測定します。LCPは、ページの読み込みが始まってから2.5秒以内に生じる必要があります。
- 重要性: LCPが高速だと、有用なコンテンツがすぐに閲覧できるようになり、最初のページだけを見てウェブサイトを離れる人が減ります。
First Input Delay (FID)
- 定義: 操作性を測定します。FIDは、100ミリ秒未満であるべきです。
- 重要性: FIDの値が低いことは、利用者による操作にページが迅速に反応し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることを示します。
Cumulative Layout Shift (CLS)
- 定義: 視覚的安定性を測定します。ページのCLSは0.1未満を維持すべきです。
- 重要性: CLSの値が低いと、コンテンツが勝手に移動することがなくなります。勝手に移動するコンテンツは見にくく、利用者の不満のもとです。
注目すべき新しい指標:
- Interaction to Next Paint (INP): 利用者による操作から視覚的なフィードバックまでの時間を測定します。
- Time to First Byte (TTFB): ウェブサーバーの応答時間を測定します。
コアウェブバイタルで検索結果の表示順位を上げる
実践的な方法:
- 画像の最適化: WebPのような次世代画像フォーマットを使用し、画像のサイズを適切なものにして読み込み時間を改善します。
- 圧縮を有効にする: GzipやBrotliによる圧縮を使って、HTML、CSS、JavaScriptファイルのサイズを縮小します。
- サーバーの応答時間の改善: コンテンツ・デリバリー・ネットワーク (CDN) を使用し、サーバーを最適化してTTFBを短縮します。
- JavaScriptの最小化: ページのJavaScriptの量を減らして、読み込み時間を短縮し、操作性を向上させます。
- 遅延読み込みの使用: 画像や動画がビューポートに現れた時にだけ読み込むことで、初期の読み込み時間を短縮し、CLSを低減します。
- 定期的な監査: GoogleのPageSpeed InsightsやLighthouseのようなツールを使って、コアウェブバイタルを定期的に監査・監視します。
ケーススタディ: ユーザーエクスペリエンスの向上
様々な企業がコアウェブバイタルを改善し、検索結果の表示順位を上げることに成功しています。たとえば、クリムゾン・ジャパンが取り組んだ事例では、ウェブサイトを最適化することで、ユーザーエンゲージメントが向上し、表示順位の上昇につながることが実証されています。
まとめ
コアウェブバイタルの各指標 | 目標となる基準値 | 主要戦略 |
Largest Contentful Paint (LCP) | 2.5秒以内 | 画像を最適化し、圧縮を有効にします |
First Input Delay (FID) | 100ミリ秒未満 | JavaScriptを最小化し、サーバーの応答時間を改善します |
Cumulative Layout Shift (CLS) | 0.1未満 | 遅延読み込みを使用し、視覚的な安定性を確保します |
Interaction to Next Paint (INP) | 監視・改善します | 利用者による操作に関わる要素を最適化します |
Time to First Byte (TTFB) | できるだけ短縮します | コンテンツ・デリバリー・ネットワークを使用して、サーバーの機能を最適化します |
おわりに
2024年現在、多言語SEOを行い、最新のコアウェブバイタルを理解することは、インターネットでの認知度向上を目指す企業にとって不可欠です。各言語のコンテンツに注目し、ローカライズを活用し、SEOの動向を把握することで、ウェブサイトのパフォーマンスとユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させることができます。さらに、コアウェブバイタルをめぐる最新情報に常に注意を払い、ウェブサイトの最適化を続けることで、検索エンジンでの表示順位を高められます。
これらの戦略を採用することで、SEOの取り組みを改善できるだけでなく、世界中の多様な人々の共感を呼ぶ優れたユーザーエクスペリエンスを提供することができます。より詳しいご案内や事例の紹介については、クリムゾン・ジャパンのブログをご覧ください。