動画マーケティングの動向と動画翻訳の需要

今や、世界中で多くの人がコンピューターやタブレット、スマートフォン(スマホ)を利用してプロモーションビデオを見ていることから、マーケティング戦略における動画の活用が無視できないものとなっています。

動画の拡散性や影響力を鑑みると、マーケティング戦略としては、より多くの言語で提供するのが得策です。多くの言語で提供できればより多くの顧客の目に触れる機会が増え、結果として商品あるいはサービスの売上につながる可能性も高まります。それだけでも、動画を翻訳する理由としては十分ではないでしょうか。

動画コンテンツの需要は大幅に増加

例えば、テニスシューズを買おうかなと思って検索を始めたとしましょう。すぐにReebokやNikeなどさまざまなブランドの広告が目に飛び込んでくるはずです。スタイリッシュな動画につい見入ってしまいませんか?ブランドが確立している大手のシューズメーカーは、マーケティング戦略における動画コンテンツの重要性を認識しているのです。

  • ソーシャルメディア用の短い動画であろうと、プロモーション用の比較的長い動画であろうと、動画制作で意識すべきことは同じです。アニメーション動画制作会社のWyzowlによる調査報告書には動画の効果がまとめられています。
  • マーケティング担当者の87%が動画を活用。その割合は2017年の63%、2018年の81%と年々増加している。
  • 同じく87%のマーケティング担当者が動画によってウェブサイトへの流入が増加したと供述95%が、動画が製品またはサービスへの理解を深めるのに役立っていると回答
  • 80%が、動画が直接的に売上増に貢献していると回答

他の統計には、顧客も購買の判断の際に動画の影響を受けていることが示されています。

  • 顧客の79%がブランドの動画が、ソフトウェアやアプリ(APP)の購入を後押ししたと供述
  • 96%が製品やサービスを理解するのに説明動画を見ている
  • ミレニアム世代の74%が商品やサービスを比較する際に動画を参照すると回答

新しい商品やサービスについて興味喚起を促すだけでなく、顧客が知りたい情報を提供するのにも動画が活用されていることが見て取れます。このようにマーケティング戦略としての動画や説明動画の需要が増えれば、動画翻訳の必要性も増えると期待できます。

動画マーケティングは多言語化でより高い効果を発揮

世界のYouTubeユーザーは 20億人を超えており、これは全インターネット人口の約 3 分の 1 に相当します。これほどの数の人が動画を見ているのなら、チャンスを逃すべきではないと考える企業は多いでしょう。動画を作成することで世界の人々の目に触れる機会を増大させることができますし、既に動画ができているのであれば、他の言語に翻訳することで顧客を増やすことができます。というのは、CSA Researchによる調査では、回答者の75%が母国語で説明されていることを望んでいると示されているからです。動画を翻訳することで、この潜在顧客に情報を提供することができれば、販売戦略に大きな影響を及ぼすことができるでしょう。

どの言語に翻訳すべきかの判断には、以下のような情報を参考にしてみてください。

  • 世界中、特にアジア太平洋地域で動画視聴者数の増加が著しく、2023年までに18億1210万人に至ると予測されている。
  • 中南米およびメキシコでも視聴者数の増加が見込まれており(3億1790万)、世界全体では2030年までに31億4120万人に至ると予測されている。
  • 視聴者数増加に伴い、動画広告への支出も増加。2019年から2023年のアメリカにおける動画広告への支出の年平均成長率(CAGR)は12.8%と予測される。
  • 2023年の世界人口を約80億と見積もると、約39%がデジタル動画の視聴者になるとの推計。

動画をどの言語に翻訳するかが決まったら、次のようなステップで準備を進めます。

  • 動画の翻訳が、視聴者に伝えたい内容を伝えるものとなっているかを確認します。どの文化圏にも独自の感覚があり、言葉から受ける印象は異なります。ターゲット市場の文化や慣習に準じてメッセージを伝えられるようにします。
  • ブランドや商品を押しつけてはいけません。顧客が動画を見たときに「売りつけられるような感じ」を持たれることなく、共感が得られれば、顧客に製品やサービスに対して興味を持ってもらえるでしょう。
  • 動画制作あるいは動画翻訳サービスを提供する翻訳会社やランゲージプロバイダと協業し、ターゲット市場の文化の違いや地域の特性、それぞれの言語のニュアンスまで考慮していることを確認してください。動画翻訳は、単純にスクリプトを翻訳するだけではすみません。画像、コンテンツ、字幕といったすべての要素がターゲット市場に受け入れられるものであるように注意すべきです。

動画翻訳で注意すべきポイント

動画翻訳には吹き替えと字幕という二つの方法がありますが、フェイスブックの視聴回数の85%が音声なしで再生されているとの報告もあるように、SNSの動画の多くは無音声で再生されているようです。何かをしながら、あるいは電車の中のように公共の場所にいながら視聴しているとき、ミュートにしている人が多いことを察すれば、字幕は情報伝達の要とも言えます。この重要さを念頭におきつつ、どれだけの言語で字幕を作成し、配信できるかが視聴者への情報伝達量に影響を与えることになるでしょう。

よりよい字幕を作成するためには、ソース言語とターゲット言語の両方の言語および文化に精通した翻訳者に作業を依頼することが不可欠です。

次に大切なのは、翻訳された字幕を的確に編集することです。テキストの配色、配置に留まらず、字幕とコンテンツそのものの同調性にも配慮する必要があります。

最後に、できあがった動画の字幕が視聴者に受け入れられるか、的確にメッセージを伝えることができるものに仕上がっているかを確認します。また、開発途上国に事業展開する際には、動画であっても識字率を考慮しておくべきです。

動画は受け身でありながら情報を受け取ることができ、シェアされやすいという性質もあります。先述の動画に関する調査分析には、動画の費用対効果が高いことも示されています。ソーシャルメディアにおける動画活用の費用対効果(ROI)に満足していると回答している担当者の数は増加しており、2015年にはわずか3分の1だったのに、その後12ヶ月で2倍以上に増え、今年は88%に達しています。マーケティング戦略において費用対効果は重要な指標であることも含め、ますます動画を活用したマーケティング戦略が増えると予想できます。

動画は単純に見て楽しむためのものから、マーケティング戦略的に重要な役割を担うものと変わってきました。動画翻訳の需要は今後も増え続けることでしょう。

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