通訳サービスにはどのような種類があるの?
グローバルに事業を展開する企業が増えるにつれ、通訳サービスの需要も高まっています。企業と顧客がそれぞれ、世界のどこにいても、日常的にどの言語を使っていても、効果的なコミュニケーションをとるために、医療・ヘルスケア、教育、法律などを含むさまざまな業界の企業・組織が通訳サービスを利用しています。ここ数年で急拡大したオンライン上にも通訳の活躍の場は広がっています。
通訳サービスを依頼する場合には、さまざまなニーズに応じた種類があるので、どのような通訳が必要かを考えなければなりません。その種類を見てみましょう。
小規模イベントなどでの逐次通訳サービス
逐次通訳では、話者が一定の語数、自分の言語で話した後に合間を取ります。その合間に通訳者が話者の話した内容をターゲット言語に訳して視聴者に伝えていくということを繰り返します。逐次通訳は、少人数の授業やイベント、商談、面接、対話などで、その場にいる人と人との関係を取り持つことによく利用されます。例えば、病院で医師が言葉の通じない患者とコミュニケーションをとる際などに活躍します。
大規模会議などでの同時通訳サービス
同時通訳では、通訳者は話者が話しを続けている背後で、話の内容を理解しながら訳し、同時にターゲット言語で発話していきます。発言を注意深く聞きながら訳し、同じタイミングで発話するというプロセスでは、言い換えを行っている余裕がないため、瞬時の判断力と正確さが求められます。このような迅速で正確な通訳は、大規模な会議や展示会の他、原稿のあるイベントや放送などでも威力を発揮します。企業が大規模な国際会議を開催する場合は、通訳によって話者の発言を中断したり、通訳のために時間を取られたりすることなくスムーズにイベントを進行させるため、同時通訳が多用されます。
現場に赴くオンサイト通訳
対面でのコミュニケーションを円滑に行う上で活躍するのがオンサイト通訳です。企業などが通訳者を伴って顧客や交渉相手の元に赴き、顔を合わせて商談や会議などを行うケースです。オンサイト通訳は、相手との関係性を深めたり、双方向で情報をやり取りしながら新たなアイデアを生み出したりする会議やディスカッションにおいて特に有効です。オンサイト通訳は、会議の規模の大小に関わらず、異なる言語を話す人々の相互理解をサポートします。
多言語ビデオ会議などをつなぐリモート通訳
オンライン会議が当たり前になってきた昨今、オンライン会議での話者の発言を通訳するリモート通訳がますます重要になってきています。コロナ感染拡大でやむを得ずオンラインでというイベントも多々ありますが、オンライン会議なら会場費や出張費がかからないため、開催者にとってはコスト削減にもつながっています。さらに、直接集まるのが難しいような複数地域の人々を集めてコミュニケーションを図ることも可能になり、多言語の参加者の円滑なコミュニケーションを実現するためのリモート通訳が欠かせなくなっているのです。
急なニーズに対応するオンデマンド通訳
多くの場合、通訳サービスは事前に予定を立てて利用されますが、人と人とのコミュニケーションには、突発的に通訳が必要なこともあるでしょう。オンデマンド通訳を提供する言語サービスプロバイダーは、指定された言語ペアの通訳者を依頼主の対話に参加させ、コミュケーションの橋渡しをします。医療や法律などの現場で業務上、急に通訳が必要となった場合などに頼りになります。
ニーズに合わせたカスタムメイドの通訳
企業や組織の業態や発生する業務は千差万別ですから、それぞれのニーズに合わせた通訳サービスの組み合わせも時に必要になってきます。顧客それぞれのニーズをくみ取り、最適な通訳サービスをカスタマイズできる言語サービスプロバイダーを利用することで、より効率的で効果的なコミュニケーションが可能になるでしょう。
通訳に限らず、言語サービスを選ぶ際に重要なのは、ソース言語とターゲット言語双方のネイティブが業務に関わるプロセスを構築している翻訳会社や言語サービスプロバイダーを選ぶことです。さらに、各業界の専門知識を持つ通訳者がいることも重要です。業態や、個別のプロジェクトに適したサービスを提案・提供する言語サービスプロバイダーを利用することが、顧客との関係性を構築し、自社の製品やサービス、そして自分たちの見解を正確に理解してもらう上で大きな力となるでしょう。