ダークホースコミックス
有名ゲーム本の日英翻訳をアメリカの大手コミック出版社に納品
- クライアント名:ダークホースコミックス(北米のコミック出版社の中でマーベル・コミックとDCコミックスに次ぐ規模)
- サービス名: 書籍翻訳 , ゲームローカライズ
- 言語:日英翻訳
- 書籍名:『The Legend of Zelda Encyclopedia』
- 文字数:384,000文字
背景
『The Legend of Zelda Encyclopedia』は、ゲームシリーズ『ゼルダの伝説』(LoZ)の世界を掘り下げた百科事典のような本です。ゲームのキャラクターやストーリー、モンスターやアイテム、ダンジョンなどが詳しく紹介され、発売から30年を経た今もファンを魅了し続けるファンタジーの世界観が詰まっています。もともと日本語で出版されたこの書籍を世界中にいるLoZファンに届けるべく、英語に翻訳する必要がありました。
課題
短納期での納品
当初は別の翻訳会社が本件を担当していたものの、お客様の期待に沿う翻訳を作成できなかったということで、当社にご依頼いただきました。通常であれば5か月程度を要する大型本でしたが、すでに決められていた発売日を考慮すると3か月で納品する必要がありました。私たちは厳しい納期の中で品質に妥協することなく、文化に適合したローカライズを行う必要がありました。
ゲームに詳しい翻訳者によるローカライズ
本書は、世界中のLoZファンに届けられ、ゲームのあらゆる情報を得られるユーザーガイドとしての役割を果たすことを目的としていました。したがって、翻訳者は翻訳スキルが高いだけでなく、このゲームをプレイしてよく理解している必要がありました。
複雑なDTP作業
本書では、多くのページを割いてゲームのキャラクターやアイテム(武器や小道具など)を説明しています。また、すべての説明には画像がついており、場合によっては画像の新規作成が必要でした。複雑なDTPが必要なページは320ページに及び、翻訳だけではなくDTPにも十分な作業時間を確保する必要がありました。
当社の対応
適切な担当者によるチーム編成
英語ネイティブとLoZゲーマーを含む翻訳者、チェッカー、校正者、レビュアー、デザイン担当者の5名によってチームを構成しました。
最先端のツール
チームが品質を担保しながら、短納期に対応できるよう生産性を上げるため、多くの最先端のツールを用いました。
社内の技術者によるDTP
社内のDTPオペレーターが画像の新規作成を行った結果、日本語版をローカライズしたというよりも、一からグローバル版を作成したかと思うほど自然な画像が仕上がりました。
経験豊富なプロジェクトマネージャー
経験豊富なプロジェクトマネージャーをアサインすることで、チームとクライアント間の調整を行い、直前での変更などもケアし遅延を防ぎました。
24時間365日のサポート体制
わずかな遅れも生じさせないよう、クライアントと常にコミュニケーションをとり続ける体制を構築しました。
成果
- 無事、納期通りに納品し、すでにグローバルでの販売にいたっています。
- お客様からは、プロジェクトの実施体制と高い品質にご満足をいただいています。
「日本語版と翻訳版を比較して、とくに2つのすばらしい点があったと思っています。
- ひとつは、単純に日本語版を翻訳するのではなく、北米版から引用して翻訳してくれたことです。日本語版とは完全に1対1になっていないため、北米版から固有名詞をとってくるのは、非常に困難なはずです。このような努力を海外の読み手のためにしてくれたことに本当に感謝しています。
- もうひとつは、日本語を英語に翻訳すると、文章が長くなることがよくあります。ところが、今回の端的な翻訳には感動しました。翻訳が簡潔な言葉でなされたおかげで、各ページには十分なゆとりができ、日本版とほとんど同じデザインを保つことができました。
Patrick Thorpe
『The Legend of Zelda Encyclopedia』編集者